プラハの情報を調べていたときに、Nový Svět(ノヴィー・スヴェット)という古い建物が残る小道があることを知りました。
かわいい家々が立ち並んでいるというその小道に惹かれ、足を運んでみます。プラハ城からはそう遠くない場所です。
プラハ城からNový Svět(新世界)通りへの行き方
Nový Svět通りがあるのはプラハ城の西側に位置するフラッチャニ(HRADČANY)地区。この一角はかつてはプラハ城の使用人が住んでいて、19世紀末頃から古い家並みに惹かれた芸術家たちが移り住むようになったらしいです。
プラハ城からカノヴニツカー通りを歩いて行くと、映画「アマデウス」でモーツァルトの住居として使われた建物が姿を現します。
さらに歩くとネポムツキー教会が見えてきました。
ノヴィー・スヴェット通りに到着。赤い標識が出ています。
Nový Svět(新世界)通りを散策する
プラハ城から近い場所ですが、ここまで足をのばす観光客は少ないみたいで、通りを歩いていて時折出会うのは住人と思しき人たちでした。
朱色が目を引く建物、窓枠が印象的な家・・・
街の中心部の賑わいや観光地の喧騒から離れて路地を散策するのは、私にとって旅の楽しみのひとつです。その国の人々の暮らしぶりが垣間見えるのがおもしろいのですね。
そういう意味ではノヴィー・スヴェット通りは少し面白みに欠けました。
きれいすぎるのです。
道にゴミが落ちていない。
路駐している車もほとんどない。
建物もきれい。
とってもきれいでフォトジェニックな通りだと思います。
だけど、住んでいる人のセンスがうかがえるディスプレイされた窓だったり、植木を置いた玄関だったり、無造作に止められた自転車だったり・・・と、生活臭のある雑然とした景色のほうが私は好みなのです。
「これがここで暮らしている人達の日常なんだよ」
そう言われるとそれまでなんだけど、自分が求めていた景色とは少しばかり違っていたのが残念でした。
歩いているとカフェらしいお店がありました。小さなテーブルと白い椅子がなんだかかわいい。
そう、こんな、人の気配を感じられる景色が好きなんです。
建物に残る歴史
住所がなかった中世のプラハでは、家の壁や玄関の上に標識をつけて住所の代わりにしていたのだそう。ノヴィー・スヴェット通りでは「黄金の羊」の標識が残っています。
もう一つ見かけた自転車の飾りは、最近とりつけたものなのでしょう。
自転車が発明されたのは1800年代以降、標識はそれ以前の時代の習慣だから。
だけど古の標識のように、入り口の上にこんな飾りを施す遊び心が素敵ですね。
マリア・テレジア(フランス王妃マリー・アントワネットの母)の時代(1700年代)に地区を定めて番号が付けた住所ができ、標識はつけられなくなりました。
第一次世界大戦後に新たな住所(〇〇通り何番地)が決められ、それが今の住所として用いられているのだそう。
建物につけられた青いプレートは正式な住所、赤いプレートは地区による番号(古い住所)。
今でも赤いプレートを付けたままの家が残っているのが興味深いですね。
第一次世界大戦以前に建てられた建物だということがわかります。
こんなふうに建物を観察しながらのんびり歩くことができるのは、路地裏散策の魅力の一つです。ノヴィー・スヴェット通りには「赤いプレート」が残る建物がたくさんありました。
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