アンティークの町テットベリー|秋のコッツウォルズを訪ねて(3)

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テットベリー(Tetbury) 1997

バイブリー行きのバスは夕方発なので、それまでの時間を利用してテットベリーに行ってみることにした。

しかし、バス停と思われる場所で待ってみるも出発時間になってもバスがこない。

どうしたのかな、どのバスかな、ときょろきょろしてたら、一人の紳士から「道に迷ったのか?」と声がかかった。バスを待っているのだと言うと、一緒に探してくれた。なんて親切。旅先ではこういった些細なことでも胸に深くしみこんでくる。

乗り込んだバスは外の景色を楽しむことができないくらい窓が曇っていて、車体も走っているうちにバラバラになってしまうのではないかと思われるほどガタガタと揺れた。

テットベリーまでは往復で2.25ポンド、約25分。途中、列車のケンブル駅に寄ったので、ロンドンから列車でケンブルに来てコッツウォルズに入ることも可能だなと思った。(ただしケンブル駅は村外れにあるようで、駅の周辺には何もなかった)

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テットベリーのツーリスト・インフォメーションで

テットベリー(Tetbury)

テットベリーはロイヤル・ファミリーが別邸を構えていることで知られており、またたくさんのアンティークショップが並ぶ町としても有名だ。

テットベリーのメインストリート、ロング・ストリート(Long St.)でバスを降りると、まずはツーリスト・インフォメーションを目指した。

チャーチ・ストリート(Church St.)にあるインフォメーション(現在は無くなっている)はこじんまりとした造りで、カウンターには若い女性が1人座っているだけ。ほかに人はいなかった。

「ハロー」と女性に声をかけて壁際の棚に置いてあるパンフレットやポストカードを見ていると、勢いよくドアが開き3人の日本人女性が入ってきた。

彼女たちは日本語でぎゃーぎゃーと騒ぎながら、パンフレット類をあれやこれやとチェックする。そしてカウンターに置いてあったものを「これがいいんじゃない」「あら、そうね」とまくしたて、カウンターの女性に挨拶をすることもなくパンフレットを手に取り、そして去っていった。

まるで嵐のよう。

静けさが戻ったインフォメーションでわたしはそっとカウンターに近づいた。

彼女たちが持って行ったのは、テットベリーの簡単な地図とお店の情報が書かれた英語のリーフレットだった。町を散策するのに地図が欲しかったわたしはそのリーフレットを差しながらカウンターの女性にカタコトの英語で「これ、もらっていいですか?」と声をかける。

女性は「ええ、もちろん!・・・ああ、ちょっと待って!」と言って席を立ち、奥へと入っていった。

なんだろう?と思いながら待っていると、パンフレットを持って戻ってきた。

「どうぞ」

差し出されたのは日本語で書かれたコッツウォルズの村々を紹介するパンフレット。

「わあ、ありがとう!」

女性の心遣いにうれしくなる。

たとえ言葉がカタコトであっても、最低限の礼儀はやっぱり大事。挨拶をしたり、もらっていいのかを確認したり・・・それだけでも、こうしてちょっとした「イイコト」があったりするのだ。

コッツウォルズの日本語リーフレット
いただいた日本語のリーフレット

テットベリーでアンティークショップ巡りを楽しむ

テットベリーはアンティークショップが多く集まっている町だ。
ランチをとったレストランでも、壁際や通路に商品を置いてあったほど。

食器やカトラリー、雑貨といった「旅行中に買っても持ち歩くことができそう」なものを扱っているお店に片っ端から入って品定めをしていく。

最初に入ったお店で持ち手が貝でできている、素敵なバターナイフがあった。さんざん悩んで「ほかにいいものが見つからなかったら、後で買いにこよう」なんて思ったら、そのお店は午後から閉めてしまった。とほほ。

他のお店も見て回り、素朴な雰囲気の陶器をひとつだけ買い求めた。
昔はジャムやバターなどを陶器に入れて売っていたというのでその空き瓶だと思う。

アンティークの陶器

アンティークを見て回った後は、気ままに町をぷらぷらと散策する。

お店が並ぶメインストリートも楽しいけれど、町外れにも足を延ばすのも好きだ。ときに素敵な景色に出会えることがあるから。

テットベリー(Tetbury)

チッピング・ステップからその先へ歩いていくと、たくさんの花で飾られた素敵なパブがあった。

今度はここで食事をしてみたいな。

テットベリー(Tetbury)

3時間ほどの散策を終えて、バスでサイレンセスターへと戻った。

[旅行:1997年10月]

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