前日の曇り空から一転、きれいな青空が広がっていた。
こんなお天気の下でヴェネツィアを観光したかったな…と後ろ髪をひかれながら、ヴァポレット(水上バス)でローマ広場へと向かう。
イタリアでレンタカーを借りる
今回の旅行で初めて海外レンタカーを経験した。
ヴェネツィアからローマまでを2日間で爆走する、ちょっぴりハードなスケジュールだ。
ローマ広場にあるハーツレンタカーに出向く。
日本から予約してあったのですんなりいくのかと思ったら、あれやこれやと言われたり、書類を確認したりと手間取った。
しかもその上、「今、車を洗ってるからちょっと待っててね」って・・・、
あの、もう9時過ぎてるんですけど?
予約、9時でしたよねえ?
9時までに洗って用意しておくのが筋ってもんではないのですかと言いたいが、これがイタリアなのか!?これがイタリアなんだね!
そうして用意された車は、なんと日産のマーチだった。
イタリアでは「MICRA」という名前だけど、夫は「せめてフォードがよかったな」と残念そう。
そうだよね、折角だから外国の車がよかったよねえ。
とにかく、出発だ。
しかし心配点がいくつかある。
左ハンドル・右側走行は大丈夫か。
しかもこの車ミッションだ。運転はだいじょうぶなの?
(我が家の車はオートマなので)
初体験になるラウンド・アバウト。
さてさて、どうなることか・・・。
・・・杞憂だった。
最初こそ緊張気味だった夫も、案外すんなりと左ハンドルにもミッションにもなじんだ。時々、ワイパーが動くのだけはご愛嬌。
町を抜けるとそこには、快適なドライブが待っていた。
広がる田園地帯。続く並木道。
少しだけ色づき始めた秋色の風景。
郊外の道は無料高速道路と言っても過言ではないくらいに快調だ。信号もないし(ラウンド・アバウトだからだが)、道も走りやすい。
所々にドライブインというかサービスエリアというか、そういう建物もあるのでトイレ休憩も楽ちん。軽食コーナーやお土産コーナーがあるのも日本のサービスエリアと同じだ。
慣れぬ異国の道だからと、最初はスピードはおさえ目で走っていた。それでも時速80kmくらいでていたのだが、他の車にどんどん追い抜かれていく。高速道路じゃないのにみんな何キロだしてるの?
でもこれが高速道路になるとさらにすごい。
時速110kmで走っているのに、びゅんびゅんと追い抜かれてしまう。
片側3車線の高速道路の場合、外側は速度制限無し、真ん中は最低速度60km/h、内側は最低90km/hとなっていた。
最低速度だよ、最高速度じゃないんだよ?スピードが早いのが苦手な私にとってはもう、信じられない世界。こわすぎる。
1日目、ヴェネツィアからサンマリノへは3時間半程で着いた。
(Venezia-Chioggia-Ravenna-Rimini-San Marino)
2日目、サンマリノからローマへはアペニン山脈越えになり、移動距離も長い。
(SanMarino-Rimini-Ancona-Fabriano-Foligno-(Bevagna)-Spoleto-Terni-Roma)
昼休憩・小休憩を挟みながら約1日かけてのドライブとなったが、途中の景色が楽しめたのでこんな旅もたまにはありかな。
でもローマの渋滞と車の素行の悪さには閉口した。
あなた先に行って、次はうちが行くから…なんて日本的な考えはここでは通用しない。そんな遠慮をしようものならローマの渋滞の渦からは永遠に抜け出せない。
「オラオラオラ、うちが先に行くんでぃっ!」と強気で自己主張をしないと進まないのだ。
めちゃくちゃスピードが出ていた高速道路よりも、
1日がかりの長距離移動よりも、
ローマに入ってテルミニ駅近くにあるハーツレンタカーの事務所にたどり着くまでが一番疲れた。
車は郊外オンリーで楽しみたい。
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