ローマからナポリへは鉄道で移動した。
幸いなことにナポリでは駅近のホテルを予約していた。
荷物を預けて早速観光にでかける。
松葉杖をついた旅行者は目立つのだろうか。ナポリ駅で駅員?警備員?に声をかけられ、彼らの詰め所と思しき部屋へと招かれた。そして言われたのが、
「ナポリとカゴシマは姉妹都市なんだ。日本語で書いてくれ」
なんじゃそりゃ。笑っちゃう。
紙にかごしま、鹿児島と書いて渡した。
もしもナポリ駅でヘタクソな字で書かれた鹿児島の紙切れを見せられた方がいたら、それ私が書いたやつです。
憧れのポンペイ遺跡
2000年近く昔のこと。栄えていたその町は一瞬にして火山に飲み込まれた。
ポンペイはいつか訪れてみたい町だった。
10年前にイタリアを訪れたときにポンペイ観光も視野に入れていた。
しかしローマで知り合った日本人女性から「ナポリは雰囲気が悪くて、5、6人でかたまって歩きましたよ」という話を聞いてすっかり怖気づいてしまい、結局ナポリへは行かなかったのだ。
当時は初めての個人旅行、一人旅。まだ勝手もわからず、いろんなことに神経をすり減らしてビビリまくっていた。
でも今なら行ける気がした。そこそこ旅慣れてきたのもあるし、なにより夫と一緒というのが心強かった。
ナポリからポンペイへのアクセス
ナポリからポンペイへの交通機関は、国鉄とチルクムヴェスヴィアーナ鉄道がある。ホテルが国鉄駅のそばだったので国鉄を使った。(片道2.3ユーロ、2005年当時)
ただ、国鉄だとポンペイ駅から遺跡まで行くのに距離がある。しかも遺跡の入り口はどちらかというと裏口風で、そこからポンペイ観光のハイライトとなる第7地区のあたりまでは距離がある。
チルクムヴェスヴィアーナ鉄道だと遺跡の正門近くに駅があるようだ。第7地区も近い。
ただガイドブックによると、ヴェスヴィアーナ鉄道の方が乗車時間が長くなるようだ。
個人旅行の方はよく考えてチョイスしよう。
石畳に松葉づえ。足元に気を付けながらポンペイ観光
本当ならガイドブックや地図を片手に、「この遺跡はなに、あれはなに!」と確認をしながらポンペイ遺跡の散策をしたかった。
しかし悲しいかな、わたしの両手は杖でふさがれている。しかも古い石畳を歩かなければいけないので、足を踏み外さないようにとどうしてもそちらに気がいってしまう。
おかげで、とにかく目に付いた遺跡を見るのがせいいっぱい。
それがなんの建物なのか夫が言ってはくれるが、今となってはほとんど記憶に残っていない。
それでも、ポンペイを訪れることが出来て幸せだった。
怪我をした夜、ポンペイはもうあきらめなければいけないかと思ったからだ。
石畳に足を取られながら約3時間、十分にとはいい難いが遺跡を堪能した。
今も残る絵や文字。モザイク。往時の生活が偲ばれるような建物。
想像以上に大きな遺跡だった。それだけ繁栄していた町なのだ。丸1日かけて端から端までじっくりと見てまわりたいと思った。
ほうらこうしてまた、イタリアに戻って来る理由ができたのだ。
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