リースウッドで私に割り当てられる朝食時間はいつも8時半だった。
宿泊客は私のような観光客らしい人もいるけれど、どちらかというとビジネスマン風の人をよく見かけていたので(出張だろうか?)、早い時間は彼らに割り当てられているのだろうなと感じていた。
朝食後にホストマザーがどこに行く予定なのかと尋ねてきたので、自然と今回の旅行ルートについて話しあう。
カタコト英語で考えていることを伝えてみるも、返ってくるのは厳しい表情。というのも、私が今回行きたいと思っているバイブリーが曲者なのだ。
チェルトナムからバイブリーに行くバスは週1本、金曜日のみ。
サイレンセスターからバイブリーは近いけれど、そこからバスが出てるかどうかは不明。とにかく情報が少なく、はっきりとした見通しが立たないのだ。
でもまあ、なるようになるでしょ。
成り行きに任せることにして私は宿を後にした。とりあえずサイレンセスターに行ってみよう。
サイレンセスターまではバスで40分。料金は片道で1.50ポンド。
サイレンセスター
“Capital of the Cotswolds”-コッツウォルズの首都-の名を持つサイレンセスターは、なるほど、コッツウォルズの中では開けた町のようだ。ボートン・オン・ザ・ウォーターと比べると町の規模が大きい。サイレンセスターはローマ人によって拓かれた歴史ある町だ。
まずはツーリストインフォメーションセンターに足を運び、バイブリー行きのバスの有無を確かめてみる。
すると運よく、1日1本だけどバスの便はあるとのことだった。
ヨシ、いいぞ。これならバイブリーに行けそうだ。
バイブリーの宿の電話番号もいくつか教えてもらったけれど、メモに書かれた字が達筆すぎて読めない…。
ツーリストインフォメーションセンターでは今夜のサイレンセスターでの宿も紹介してもらった。
このB&Bが、パイン家具にグリーン系のファブリックで統一してある素敵な部屋で、一目見て気に入った。うんうん、いいな。今夜は気持ちよく過ごせそう。
B&Bに泊まるたびに思うのだけど、こちらの人のセンスの良さにはほんと脱帽する。壁紙やカーテン、ベッドカバーなど、柄物同士を組み合わせてどうしてあんなに品よくまとめてしまえるのか。不思議でならない。
サイレンセスターの町を散策し、夕方になってガイドブックに載っているバイブリーの宿に電話してみた。
「明日、部屋はある?一人なんだけど」と言うと、どうも、うーんと考える気配を感じたので、慌てて「2泊したいの」と付け加えるとOKがでた。
何時に来るかというので、アバウトに「夕方、5時か6時」と言うと「5時に来い」と返ってきたので、またも慌てて「6時になる。バスがその時間になる」と言った。
電話を切り、がんばって交渉したら何とかなるものなのねとその時は至極気分が良かったけれど、後で片言英語しかできない自分を少々悔やむことになったのだ・・・。
[旅行:1997年10月]
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